アマゾンジャパン、アップルジャパン、P&Gマックスファクター、西友、ユニバーサルミュージックなど、錚々たる企業が日本法人を設立するにあたって選択している「合同会社」
合同会社は、株式会社に比べて設立コストが安い、定款変更コストが安いといったメリットがあることから、ジワジワと人気を集めています。
下記は統計局から合同会社の設立件数を抽出したものになりまして、その数が、年々増加傾向にあることがお分かり頂けるかと思います。
合同会社の設立数 | |
---|---|
平成26年 | 19,808 |
平成25年 | 14,581 |
平成24年 | 10,889 |
平成23年 | 9,130 |
平成22年 | 7,153 |
平成21年 | 5,771 |
平成20年 | 5,413 |
そこで、今回はそんな合同会社の設立における必要な印鑑について、見ていきたいと思います。
合同会社が人気の理由-メリットについて-
合同会社が人気となっている理由につきましては、幾つかポイントがありまして、例えば、コストという面では、合同会社は株式会社に比べると、断然その設立費用も、定款変更にかかる費用も安くなっていります。
株式会社 | 合同会社 | |
---|---|---|
設立費用 | 20万円~ | 10万円~ |
設立に要する期間 | 約7日~21日 | 約3日~10日 |
定款に関連する手数料 | 変更の度、必要。(代表変更で印紙税15,000円など) | 不要(登記免許税6万円のみ) |
株主総会の設置 | 必要 | 不要 |
会計監査人による監査 | 資本金に応じて必要 | 不要 |
決算公告の義務 | 必要 | 不要 |
また、外資系の会社など規模の大きな会社にとって、合同会社にするメリットとしては、決算公告の義務がなかったり、監査人を置く必要がないという点が挙げられるかと思います。
法人格は必要だが、会計にかかるコストや、定款変更にかかるコストを可能な限り、下げたいという人にとっては、打ってつけの法人になります。
デメリットとしては、日本では株式会社に比べると、信用・認知の面で、劣るという点が挙げられるかと思います。
なお、株式会社を合同会社に、合同会社を株式会社に変更するのは、いずれも可能になっています。
合同会社設立に必要な印鑑証明について
まず、最初に、合同会社設立に際しては、その代表となる代表社員が「個人」として登記するのか、あるいは、「法人」として登記するのかという点で、必要となるものが異なります。
順番に見ていきたいと思います。
〇代表社員=社長=個人で登記する場合
(代表)社員=社長=個人として登録する場合 | 注意事項 | |
---|---|---|
(代表)社員=社長=個人としての実印 | 必要 | 持っていないときは購入する必要 |
(代表)社員=社長の個人としての印鑑証明書 | 必要 | 3ヶ月以内に取得したもの |
新しく作る合同会社の法人としての実印 | 必要 | 設立にあたって新たに購入する必要 |
合同会社では、社員というのは従業員を指しているのではなく、「会社に出資を行う人」のことを指しておりまして、代表社員=社長ということになります。
そして、1人で合同会社を設立するときは、本人が社長であり、代表社員ということになりまして、登記の際に、本人であることを証明するための実印による押印と印鑑証明書が必要となります。
個人としての実印をお持ちでないという方は、「印鑑登録から印鑑証明を発行するまでの時間と流れをざっくり見る!」を参考にしていただければと思います。
また、印鑑証明書の有効期限について詳しく知りたいという方は、「印鑑証明書の有効期限について」をご覧ください。
なお、代表社員以外に「出資を行う人=社員」がいた場合には、定款に社員の氏名及び住所が必要となります。(この記載が抜けていると定款として認められず、登記できません。)
そして、社員の氏名及び住所を証明するためには、添付書類として、その社員=個人としての実印による押印と、印鑑証明書が必要になります。
下の通り、「〇通」となっているのは、代表社員以外の社員の人数分、用意する必要があるということになります。
また、代表社員以外の、出資した人が法人であった場合は、上記の通り、「登記事項証明書」が必要となります。
〇代表社員=法人で登記する場合
合同会社の場合は、その会社の代表社員を法人として登記することも可能になっています。
(代表)社員=社長=法人として登録する場合 | ない場合 | |
---|---|---|
代表社員=法人として登記する場合-法人としての実印- | 必要 | すでに法務局に届け出ている印鑑 |
代表社員=法人として登記する場合-法人としての印鑑証明書- | 必要 | 印鑑証明書・登記事項証明書 |
新しく作る合同会社の法人としての実印 | 必要 | 設立にあたって新たに購入する必要 |
代表社員を法人とする場合は、すでに法務局に届け出ている印鑑にて押印を行い、あわせて、印鑑証明書および登記事項証明書を添付書類として提出します。
すでに届け出ている法人の印鑑証明の取り方については、「法人の印鑑証明を取得する方法と必要なものについて」を参考にして頂ければと思います。
なお、代表社員とする法人の印鑑を紛失してしまっていたり、印鑑カードを再発行したい場合は、以下の手順にて対応を行います。
法人用の印鑑や印鑑カードの紛失と再発行について
「印鑑・印鑑カード廃止届書(リンク先:法務局)」に必要事項を記入し、本店の所在場所を管轄する登記所(法人登記部門・支局・出張所)にて、印鑑カード廃止の届出を行います。
ただ、届け出にも、1.印鑑だけの廃止届出、2.印鑑カードだけの廃止届出、3.印鑑および印鑑カードの廃止届出の3種類がありますので、先に確認しておきましょう。
そして、再交付のために、印鑑だけ廃止届出を出すときは、新しい印鑑届書を、印鑑カードの廃止届出を出す場合は、新しい印鑑カード交付申請書を、印鑑、印鑑カードの2つの場合は、両方の書類が必要になります。
なお、「印鑑・印鑑カード廃止届書の記載例(リンク先:法務局)」もありますので、参考にしてください。
【代表者などの本人が申請するときに必要なもの】
〇印鑑・印鑑カード廃止届書
〇印鑑カード交付申請書、印鑑届書のどちらか、あるいは両方
〇本人確認書類(免許証、パスポート、写真ありの住基カード)
〇実印
の4つになります。
【代理人が廃止申請を行うときに必要なもの】
〇印鑑・印鑑カード廃止届書
〇印鑑カード交付申請書、印鑑届書のどちらか、あるいは両方
〇実印
〇委任する人(代表取締役または取締役)の個人の実印による押印と印鑑証明書
〇代理人の本人確認書類(免許証、パスポート、写真ありの住基カード)
が必要書類になります。
まとめ
「合同会社の設立に必要な印鑑証明のまとめ」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
これかれ合同会社の設立をしようと考えている人や、合同会社に出資を行う人=社員が増えるときなどの参考にして頂ければ、幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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