軽量、高強度、高耐食といった特徴から、航空機のロケット部品、自動車のエンジン、医療用の人工の骨や心臓弁、スポーツ分野ではゴルフクラブ、テニスラケット、ファッションや装飾品としては、めがねのフレーム、時計、カメラ、指輪、そして印鑑まで実に幅広い用途で使われているチタン。
今回は、そんなチタンについて、その特徴から価格相場、お手入れ方法まで説明していきたいと思います。
チタンの印鑑の価格相場
チタンの印鑑を作成した場合、いくらぐらいの費用が掛かるのかという点について、女性用は15cm、男性用は16.5cmをサンプルとして、国内の印鑑販売サイトの価格相場を実印をベースに調査いたしました。(参考記事/「実印の大きさ(規定サイズ)について~女性用と男性用~」)
チタン(女性用/15cm) | チタン(男性用/16.5cm) | |
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はんこプレミアム | ¥8,800 | ¥9,800 |
ハンコヤドットコム | ¥16,390 | ¥19,500 |
ハンコマン | ¥17,000 | ¥20,090 |
はんこdeハンコ | ¥13,800 | ¥15,800 |
いいはんこやどっとこむ | ¥7,800 | ¥9,200 |
ハンコヤストアドットコム | ¥7,700 | ¥8,900 |
印鑑の匠 | ¥8,980 | ¥10,980 |
平安堂 | ¥32,400 | ¥38,700 |
はんこキング | ¥13,524 | ¥17,048 |
国士堂 | ¥17,310 | ¥20,400 |
畑正 | ¥30,600 | ¥42,000 |
相場価格(平均) | ¥15,846 | ¥19,311 |
チタンは、指輪などにも使われている希少金属だけあって、印材としても象牙などにも匹敵するような価格相場になっています。
そんな高級な金属素材であるチタンは、実印や銀行印といった大切な印鑑の印材として選ばれることが多いのも特徴です。
チタンの種類について
実はチタンと一口に言いましても、様々なタイプがありまして、特に印鑑購入の際に注目すべき点は純チタンかどうかという点ですが、日本の印鑑屋さんで流通しているチタンのほとんどが、この純チタンになっています。
ちなみに、チタンには、純チタンとチタン合金に大きく分かれておりまして、さらに、純チタンの中でもJIS11種,JIS2種,JIS3種,JIS4種といった4種類に分かれておりまして、JIS1種がもっとも軟らかく、4種になると硬度が増していきます。
チタンの純度については、JIS11種が最も高く、JIS14種と順番が進むにつれて、純度が下がっていきます。
実際に純チタンがどれくらいの硬さかといいますと、ネジを締める時の「ボルト」があると思いますが、純チタン素材のボルトがJIS2種で販売されていることが多いので、ボルトをイメージされると分かりやすいかと思います。
そして、純チタンはチタンの中でも、加工性に富んでいるため、印鑑にも利用されているという状況です。
チタン印鑑の特徴について
それでは、レアメタルとして幅広く使われているチタンについて、印鑑として使う場合の素材の特徴を見ていきたいと思います。
〇耐久性・耐食性の高さ
チタンの強みはその耐久性・耐食性の高さです。
その金属素材としての強さは鋼に匹敵する強度を持っているとされ、同じ高級印鑑である象牙や黒水牛といった印鑑に比べても、その耐久性の高さは抜群に高いと言えます。
また、プラチナと同じようにチタンは錆びない金属として極めて高い耐食性を誇っておりまして、金属でありながら、錆びるということが、まずありません。
深海用の作業で使用する機械の素材としても選ばれているほどで、その素材としての耐食性は折り紙つきと言えます。
〇耐熱性の高さ
何気なく、金属を冬場に触って「冷やっ」としたり、夏場に「熱っ」と感じたりした経験は、誰でも一度は経験があると思いますが、チタンは、他の金属に比べるとそう感じる度合が低いのも特徴です。
その秘密は、純チタンの熱伝導率の低さにありまして、印鑑に使われている純チタンの熱伝導率は鉄の約1/4、銅の約1/23程度で、冬場や真夏に触っても、それほど違和感を感じません。
少なくとも、印鑑を押すときに熱や冷たさが気になるということは、まずありません。
象牙や黒水牛などの印鑑の場合は、長時間、乾燥したり高温にさらされると、変形したりすることがありますが、チタンの場合はまず、そんなことは起こりません。
〇金属アレルギーを引き起こしにくい
チタンは、体内の中に埋め込まれる人口の骨にも使われており、金属系材料の中では最も生体適合性に優れている金属素材の一つです。
その適合性の高さから、カテーテル、入れ歯など医療分野で幅広く利用されているのは、ご存知の方も多いと思います。
また、ピアスなどでも使われるほどですので、チタンの印鑑が金属アレルギーを引き起こす確率は、他の金属に比べると極めて低いということが言えます。
〇見た目の美しさ
プラチナの代わりに選ばれるなど、その高級感のある光沢感や見た目の美しさはチタンの大きな特徴の一つです。
チタンの色は金属の表面を覆っている酸化皮膜の膜の厚さを特殊な技術で変化させることにより、様々な色を発色させることが可能で、それに加えてブラスト仕上げ、エンボス仕上げ、鏡面仕上げなどを表面に施すことにより、印鑑として完成させています。
着色する必要がありませんので、例えば、色が剥がれてきたという心配は基本的に必要ありません。(お店によっては、表面に硬度の高いコーティングなどを行っている場合があります)
ただ、数年単位で外に放置したりすると、酸化皮膜の膜の厚さが変わり、色味が変わるということがありますが、銀行印や実印を数年単位で野外に放置する人はさすがにいないと思いますし・・・また、別の意味で、リスクが高すぎるかと思います・・。
〇陰影の美しさ
チタンの硬さは、酸素と結びついて表面に強固な不動態皮膜を瞬時に形成するところにありますが、それは、別の見方をすれば、朱肉などの液体をつけても、液体などからの影響を受けにくいとも言えます。
つまり、捺印したときの陰影も極めて美しくなる可能性が高いということです。
実際に他の印鑑では綺麗に捺印するのが難しい・・・という方でも、チタンでは、簡単に綺麗な捺印できることを実感できると思います。
〇耐摩耗性が弱い
世界最強とも呼ばれることがある金属素材のチタンですが、耐摩耗性には弱さがあります。
金属同士の摩擦には弱いため、チタンの印鑑を他の金属とぶつけたりすると傷がついたりしてしまうことがありますので、注意が必要です。
チタンのお手入れと保管について
長年使い続けると、チタンの表面に見た目には確認できないような擦り傷などができて、そこへ手の汗の汚れ等が付着して、黒ずんで見える場合がありますが、変色ではありません。
黒ずみが気になる場合は、家にある中性洗剤を薄めて、それにタオルなどを浸してチタン印鑑を洗い、汚れを取った後に乾いた布でふき取れば、黒ずみはなくなります。
もともと、指輪として装着し続けたままメンテフリーでも大丈夫なチタンですので、基本的にお手入れや保管に気を付ける必要は、ほとんどありません。
まとめ
「チタンの印鑑の価格相場~購入からお手入れまで~」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
チタンの印鑑の購入について、読者の方の参考になれば幸いです。
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