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取締役の選任・就任 | 役員の増員に伴う「変更登記申請」の必要書類と印鑑証明について

株式会社の取締役を新たに選任し、役員の増員を行う際に法務局に申請が必要となる「役員変更登記」

先日(2017年11月)、ちょうど当サイトを運営する会社にて、新たな取締役の就任に際して「変更登記申請」を行う機会がありましたので備忘録も兼ねて記事にしました。

変更登記申請書の他、添付必須となっている臨時株主総会議事録、就任承諾書などをテンプレートとして当サイトにて記入例などをご用意させて頂きました。(平成27年2月27日の法改正に対応)

全て無料でダウンロードできるようにしてありますので、行政書士や司法書士にお願いせず、自分で変更登記申請をしてみたいと考えている方などに、参考にして頂ければと思います。

取締役の選任・就任に伴う「変更登記申請」で必要な書類一式は下記の通りとなっています。

 役員増員に伴う変更登記申請に必要な書類
1変更登記申請書
2臨時株主総会議事録
3就任承諾書
4印鑑証明書(選任される役員)
5株主リスト
(参考)法務局へ郵送するときの送付状

それでは、順番に見ていきたいと思います。

今回の変更登記申請の要件について

各書類の説明に入る前に、今回の前提となる要件について確認しておきたいと思います。

サンプルということで、名称等はすべて仮の設定にしておりますが、要件については、実際に変更登記を行った状況と同じものになります。

会社名/株式会社ホトトギス

代表取締役(株主)・・・織田信長

取締役(着任済み/株主)・・・豊臣秀吉

取締役(今回新たに選任)・・・徳川家康

代表取締役を務めている織田信長が事業拡大のために役員増員を考えます。

そこで、株主である織田信長と豊臣秀吉の二人で臨時株主総会を開き、徳川家康の取締役の選任を承認するという流れになります。

なお、臨時株主総会の議長は織田信長が務めるものとします。

では、それぞれの書面について見ていきたいと思います。

株式会社変更登記申請書の書き方、実印による押印と契印

上記で説明した内容をもとに、変更登記申請書に記入していきます。

変更登記については、本店が登記されている法務局で行うことになっておりまして、会社の商号、本店の住所などを記入していきます。

会社法人等番号については、本店所在地にある法務局に尋ねると、法務局の方が調べてくれると思います。(あるいは未記入で提出しても、事情を説明すると、法務局の方が代理で記入してくれます)

登記の事由については、「取締役の選任」とサンプルでは記入していますが、代わりに退任される方がいる場合などは「取締役の変更」などと内容に応じて、ご記入ください。

そして、登記すべき事項については、日付、就任する取締役の氏名、住所を記入します。

なお、登録免許税につきましては、資本金の額が1億円以下の会社については1万円、それを超える資本金の会社は3万円となっています。(参考/国税庁 -登録免許税の税額表-)

添付書類については、株主総会議事録1通、就任承諾書1通、印鑑証明書1通としていますが、新たに就任する取締役の本人確認書類には印鑑証明書以外では、下記の書類も認められています。

 取締役等の「本人確認証明書」の例
1住民票記載事項証明書(住民票の写し)
2戸籍の附票
3住基カード(住所が記載されているもの)のコピー
4運転免許証等のコピー
(※ 裏面もコピーし,本人が「原本と相違がない。」と記載して,記名押印する必要があります。)
5マイナンバーカードの表面のコピー
(※※ 表面(氏名,住所,生年月日及び性別が記載されている面)のみをコピーし,本人が「原本と相違がない。」と記載して,記名押印する必要があります。)
(参考)市町村長から交付される個人番号の「通知カード」は,本人確認証明書として使用することはできません。

参考/役員の登記の添付書面・役員欄の氏の記録が変わります(平成27年2月27日から)-法務局-

新たに就任する取締役の本人確認書類として印鑑証明書以外を添付する場合は、印鑑証明書を0通として、本人確認証明書を1通に変更してください。

続いて申請者の箇所は法人名と本店所在地を記入し代表印を押印、その下に申請する人の住所、氏名を記入します。

代表印がどの印鑑だったか忘れてしまった場合は、「法人の印鑑カード」を持って法務局で印鑑証明書を発行すれば、どの印鑑なのかを確認することができます。

印鑑カードは下記のようなカードのことを指しています。

「法務局 印鑑カード」の画像検索結果

画像出所/法務局

そして、2枚目に購入してきた収入印紙(1万円または3万円)を貼り付け、今度は、その2枚の書類に対して、下のように契印をしていきます。

「申請する会社代表印(登録印鑑)」の印鑑で押印を行うことで、その書面が同一のものであることを証明することができるようになります。(参考/契印について(意味や押し方など))

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上記の赤字入りの記入例をPDFファイルとして用意していますので、必要に応じて、下よりダウンロードしてください。

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提出用のテンプレートファイルは、法務局に空のテンプレートがありますので、そちらを参考に提出していただければと思います。

株式会社役員変更登記申請書(辞任等により新たな役員が就任した場合)-法務局-

臨時株主総会議事録の書き方と実印による押印

臨時株主総会の議事録については、発行済みの株数とその株主などについて記入していきます。

株式会社ホトトギスの場合、株式を保有しているのは織田信長と豊臣秀吉で計100株の株式を保有していますので、下記の通り、記入しています。

出席取締役には、豊臣秀吉と織田信長を記入し、豊臣秀吉が議長と議事録作成者を兼務しています。

織田信長を議長件議事録作成者としていますが、この辺は任意で変更しても問題ありません。

今回は、第1号議案で「取締役」の選任について話し合いがあったことを記録として残しています。

文言は「事業拡大のため」としていますが、もし退任される方との交代の場合は、1号案件で退任を、2号案件で選任をという形で問題ないかと思います。(下の記事では代表取締役の退任と新たな就任があった場合の変更登記申請について詳述していますので、参考にしていただければと思います。)

参考/代表取締役変更に伴う「変更登記申請」の必要書類と印鑑証明について

最後に、代表取締役である織田信長と平の取締役である豊臣秀吉による押印をそれぞれ行います。(印鑑の種類は、認め印でも問題ありません)

上記の赤字入りの記入例をPDFファイルとして用意していますので、必要に応じて、下よりダウンロードしてください。

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提出用のテンプレートファイルは、法務局に空のテンプレートがありますので、そちらを参考に提出していただければと思います。

株式会社役員変更登記申請書(辞任等により新たな役員が就任した場合)-法務局-

就任承諾書の書き方と実印による押印

就任承諾書は、とてもシンプルな書面になります。

日付、氏名、住所、新たに就任する取締役の「実印」による押印、会社名御中でOKです。

 

上記の赤字入りの記入例をPDFファイルとして用意していますので、必要に応じて、下よりダウンロードしてください。

pdfファイルをダウンロードする

提出用のテンプレートファイルは、法務局に空のテンプレートがありますので、そちらを参考に提出していただければと思います。

株式会社役員変更登記申請書(辞任等により新たな役員が就任した場合)-法務局-

会社の代表印を変更する場合の印鑑(改印)届書への記載と押印について

役員変更登記を久々に行うといった場合に、会社の代表印が分からなくて困った・・・というときは、改印届書を出して変更することも可能です。

法務局には、記載例などもありますので、それをもとに新たに会社の代表印を変更していただければと思います。

左上の大きな四角の中には代表印を、そして、右下の小さな四角の中には、個人の実印(登録印鑑)を押印します。

印鑑カードを引き継ぐというのは、株式会社を設立した時に発行されている印鑑カード(下記参照)をそのまま使うかどうかということです。

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もし、新しい印鑑カードを発行する場合は「引き継がない」にチェックを入れて申請を行い、印鑑カードの廃止申請を行った上で、再度、新たに印鑑カードを再発行するという流れになります。(参考/法務局-印鑑に関する届出-)

また、印鑑(改印)届書については、代理人に委任することもできますので、委任する場合は、委任状に記載をします。

法務局に赤字入りの記入例がありますので、リンク先よりダウンロードしてください。

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法務局に提出用のテンプレートがありますので、下よりダウンロードしてください。

株主リストについて

株主総会の決議、株主全員の同意が必要な登記事項の場合は、「株主リスト」の添付も必要になります。

今回は織田信長と豊臣秀吉2名の決議により徳川家康の役員登記となりますので、株主リストを添付しなくてはいけません。

上記の赤字入りの記入例をPDFファイルとして用意していますので、必要に応じて、下よりダウンロードしてください。

pdfファイルをダウンロードする

提出用のテンプレートファイルは、法務局に空のテンプレートがありますので、そちらを参考に提出していただければと思います。

株主リスト書式例及び記載例-法務局-

添付する印鑑証明書について

ここまで変更登記申請書、臨時株主総会議事録、就任承諾書、印鑑(改印)届書などの書類の記入の仕方、押印などを見てきましたが、添付する印鑑証明書についても説明しておきたいと思います。

添付する印鑑証明書は、今度新たに取締役に就任する「徳川家康」の1通になります。

※徳川家康の印鑑証明書については、他の本人確認書類でも提出が認められています。

法人の印鑑証明書については、法務局で確認することができますので、添付の必要はありません。

法人用の印鑑証明の取得先は法務局、個人用の印鑑証明の取得先は住民票がある市区町村役場になりますので、お間違えないようご注意ください。

なお、個人の方で印鑑登録をまだ済ませていないという方は、「印鑑登録から印鑑証明を発行するまでの時間と流れをざっくり見る!」を、印鑑登録を済ませてはいるが印鑑証明書の発行の仕方を忘れたという方は、「印鑑登録証明書の取り方・取得の方法」の記事を参考にしていただければと思います。

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法務局へ書類を郵送する際の送付状について

最後に法務局へ上記の書類を郵送するときの送付状も当サイトにてご用意しましたので、ご入用の方は、下記よりダウンロードの上、お使いください。
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提出用のテンプレートファイルは、下記にワードファイルとして用意しました。必要に応じて、下よりダウンロードしてください。

wordファイルをダウンロードする

まとめ

『取締役の選任・就任|役員の増員に伴う「変更登記申請」の必要書類と印鑑証明について』と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

変更登記申請を自分で行ってみたいと思っている方に参考にしていただければ、幸いです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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【筆者プロフィール】

浅井美津子

保有資格である宅地建物取引士(免許番号:941700070)・簿記1級・販売士1級を活かし、長年にわたり、不動産、自動車などの売買契約業務から会計業務まで幅広く従事。社会問題から生活に関わる話題などについて、独自の視点で執筆活動も行っています。