2016年に入り、りそな銀行、三井住友銀行、イオン銀行などが相次いで、個人向け口座開設手続きの際の印鑑廃止を検討するなど、銀行印が不要というニュースが話題になりました。
そこで、今回は、銀行印廃止に舵を切る大手銀行が、印鑑に代わって、どんな本人確認システムの導入を検討しているかをまとめてみたいと思います。
新しく銀行口座を開設する際の知識として参考にして頂ければと思います。
りそな銀行はICキャッシュカードと生体認証
りそな銀行は、以前から生体認証つきのICキャッシュカードでのサービスを展開していましたが、2015年から本格的に「印鑑なし」で銀行口座の開設から、投資信託、保険商品、住宅ローンなどのサービスを「生体認証」によって、受けることができる体制づくりを進めています。
参考/NECの指認証機器
生体認証については、賛否両論の意見がありまして、「印鑑が不要なのは、便利になる!」という声もあれば、現実的に「生体認証システムが認証してくれずに銀行窓口で何度も困ったことがあるから生体認証は嫌・・・」といった声がツイッターなどで見られました。
確かに、銀行に行って、急いでいるときに、生体認証されないと・・・困りますよね・・・。
ただ、生体認証システムの精度が上がってくれば、否定的な声も少なくなってくるのではないでしょうか。
三井住友銀行はサイン認証
三井住友銀行は、生体認証ではなく、本人確認の方法として採用したのが「サイン認証」
一部の飲食店などで、見かけたことのある方もいらっしゃるかと思いますが、サインで本人を認証するという仕組みになります。
ただ、飲食店用の認証システムとは異なり、事前に登録しておいたサインが違うとシステムが判断した場合は、認証ができません。
参考/NTTデータ
サイン認証についてもネット上では賛否両論がありまして、「サインだけで済むのはGood!」・「印鑑なしは便利」といった称賛の声がある一方、「これ、考え方によってはリスク高くなってない?」・「病気なんかでサイン掛けなくなった場合はどうなるの?」といった不安の声が見られました。
サイン認証は、本人が同じサインを書くことができるという前提ですが、この前提が崩れた場合の対応が気になるところかと思います。
また、サインだけの認証となると、映画「オーシャンズ12」のようにサイン偽造というリスクもないとは言い切れないかと思います・・・。
イオン銀行は指紋認証システム
イオン独自の特典や条件を満たせば、住宅ローンがお得になったりするなど、一部の層に高い支持を受けるイオン銀行。
イオン銀行も個人向けの銀行口座開設については、印鑑廃止を進めており、印鑑の代わりとなる本人確認システムとして、指紋認証システムを導入することを決定しました。
参考/DDSの指紋認証システム
指紋認証システムについては、スマホやタブレットの指紋認証システムなどでも身近に感じている人も多いことから、ネット上では、「指紋認証は楽!」・「指紋認証は簡単!」という歓迎の声がある一方、「指紋認証の精度が低いとイライラするから嫌だ」・「代理でお金は下せないってことだよね?」といった声もありました。
指紋認証システム導入の成否については、生体認証システム同様、そのシステムの精度次第になってくるかと思います。
ただ、これはりそな銀行の生体認証システムにも同じことが言えますが、指紋認証する指をケガしてしまったりすると、その時は大変です・・・。
実際に、指に絆創膏を張っていたり、包帯をしていると認証はできないので、その点は考慮しておく必要があるかと思います。
今後の動向と注意点について
大手銀行の個人向け口座開設に関しては、現在、「印鑑なし」の動きが急速に進んでいますが、この流れは当面は続くものと考えられます。
まだ大手銀行には採用しているところはありませんが、今後は顔認証や声紋認証といった認証システムも導入される可能性は十分にあります。
参考/アドバンスト・メディア
こうしたシステムは、登録時の状態が前提となっていることから、今後は、登録時の状態を保つ、例えば、指のケガをしない、美容整形で顔の形を変えない、声帯を傷めないといった、登録状態の維持が重要になってくるかと思います。
銀行口座は、日常生活に欠かせないお金を扱うところですので、「急いでいるのにお金を下せない!」といった状況に陥らないためにも、そうしたケガや病気などに注意しながら、認証できないときの対応方法も銀行にはあらかじめ確認しておきたいところです。
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まとめ
生体認証やサイン認証が個人向けの銀行口座で採用されることは、人によっては利便性が上がることから、歓迎されうる進歩であり、筆者もどちらかというと歓迎派です。
ただ、一方で、ここまで見てきたように、システムには”不具合”がつきものでもあります。
先進技術に対応した銀行でやりとりできる口座はもちろん便利ですが、リスクや万一のことを考えて、逆に印鑑で利用する”アナログ”な銀行口座も、念のため確保しておきたいところです。
本記事が銀行口座開設を考えている読者の方の参考になれば、幸いです。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました!
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