捨印を押す場所について
捨印とは欄外に押す「訂正印」のことです。袋とじの書面の場合は、ページの途中にも捨印を欄外に押すことができます。
捨印を押す意味について
欄外に押す訂正印とは、その該当するページには「何度でも」修正・加筆が可能になる状態のことを指します。
これは、署名者の誤字・脱字などを修正できるように押すためのものとされています。
通常の訂正印とは違い、一見便利なように思えますが、修正箇所とは別の箇所まで修正されてしまう可能性があるので、注意も必要です。
捨印とトラブルについて
つまり、捨印を文書や契約書などに使用する場合それが明らかに捨印ということが認識できないと欄外の訂正印として使用され、署名者に不利なように勝手に改ざんされてしまう可能性があるということです。
過去の判例では、捨印だけが直接的な原因ではないものの、多額の借金を抱えて込んでしまう連帯保証人がらみのケースがありました。
ですから、捨印を押すときは、本来の付属的な意味合いの「捨印である」ということを明記すること、あるいは捨印を押した後に文面を訂正する場合は、双方が訂正印を使って訂正するということを別の書面で確認するというのもいいかもしれません。
また、捨印を押さずに、できる限り訂正印で対処するようにしましょう。捨印をどうしても押さなければ、いけないという契約はよほどのことでもない限りありえません。とすると契約そのものがおかしいと考えても差し支えないかもしれません。
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捨印について(捨印の意味、場所など)のまとめ
捨印の現実的な意味合いとしては、他の押印と同様に、意思確認をしたことを認めることに他なりません。つまり、文面が一方的に勝手に改ざんされていたとしても、それを意思確認をした上で、押印を行ったということになります。
捨印を押すとトラブルに巻き込まれる可能性があるから、絶対押さない方がいいということはありませんが、(捨印は江戸時代には文書の正当性を証明するために産まれたものという仮説もあります。その仮説が正しければ、押すことに全く問題がありません。) 慎重に行う必要があると思います。
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