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相続放棄の手続きをする方法と印鑑証明について

遺産を相続することを放棄する、いわゆる「遺産相続放棄」の手続きをする方法と実印及び印鑑証明書について説明したいと思います。

まずは、下記のイメージをご覧ください。

遺産相続放棄と印鑑証明について

ご覧いただいてお分かりの通り、相続放棄の申請は他の相続人の同意を得ることなく、単独で家庭裁判所に申請することができます。

もちろん、現実的には相続人同士で話し合いを行って、相続放棄することを伝えた上で相続放棄を行うということがほとんどかと思います。

では、中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

相続放棄申述書に押す印鑑について

まず、相続放棄を申請するときの相続放棄申述書に押す印鑑は「認印」で問題ないとされています。

もちろん実印でも問題ありませんが、相続放棄の場合、この後に詳述しますが、相続放棄に必要な書類一式を提出した後に家庭裁判所から送られてくる照会書に回答をし、その後に家庭裁判所から送られてくる「相続放棄申述受理通知書」を持って相続放棄が完了したとみなされるという流れになっておりますので、認印でも大丈夫かと思います。

ちなみに相続放棄申述書は裁判所のサイトに、相続放棄申述書のテンプレートと書き方見本があります。

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相続放棄の必要書類について

上記の相続放棄申述書の他に必要な書類については、下記の通りとなっています。(各地方裁判所によりさらに提出書類が必要になる場合があります。)

〇申述人(相続放棄を申し込む人)の戸籍謄本

〇被相続人(遺産を遺して亡くなった人)の住民票の除票(戸籍附票)

〇収入印紙(1人800円)

〇返信用の郵便切手(裁判所によって異なりますが1人400円程度)

その他に、相続人によっては、以下の書類の提出が求められます。

相続する人提出書類
配偶者・子供被相続人(遺産を遺し亡くなった人)の死亡記載のある戸籍(除籍)謄本
○被相続人(遺産を遺し亡くなった人)の死亡記載のある戸籍(除籍)謄本

○被代襲者(本来の相続人である孫の親)の死亡記載のある戸籍謄本
親/祖父母○被相続人(遺産を遺し亡くなった人)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍)謄本


○被相続人(遺産を遺し亡くなった人)に子供(孫)がいたが被相続人より先に死亡していた場合は子供(孫)の出生から死亡までの全ての戸籍(除籍)謄本


○相続人が祖父母の場合は被相続人の親(祖父母の子供)の死亡記載のある戸籍(除籍)謄本
兄弟姉妹/その代襲者(兄弟姉妹の子供)○被相続人(遺産を遺し亡くなった人)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍)謄本


○被相続人(遺産を遺し亡くなった人)に子供(孫)がいたが被相続人より先に死亡していた場合は子供(孫)の出生から死亡までの全ての戸籍(除籍)謄本


○被相続人(遺産を遺し亡くなった人)の直系尊属の死亡記載のある戸籍(除籍)謄本


○相続人が「おい・めい」の場合は被相続人の兄弟姉妹(おい・めいの親)の死亡記載のある戸籍(除籍)謄本

相続放棄を申請する家庭裁判所について

相続放棄を申請する家庭裁判所ですが、亡くなられた方の最後の住所を受け持つ家庭裁判所に申述しなければいけません(民法938条)

今住んでいる最寄りの家庭裁判所で手続きを行うことはできないので、気を付ける必要があります。

裁判所のサイトに全国の裁判所一覧が掲載されていますので、必要があれば、お探しください。

全国の裁判所一覧はこちら

相続放棄完了までの流れ

家庭裁判所に相続放棄の必要書類を一式、提出した後の流れは以下のようなイメージです。

相続放棄完了までの流れ

相続放棄の必要種類を提出した後、申請書に不備がなければ、「照会書」が裁判所から送られてきます。

照会書は、裁判所からの本人に相続放棄に関する”確認”だと思って頂ければ問題ありません。

照会書にわからない点などがあれば、専門家に聞きながら、内容を確認してその照会書に必要事項を記入後、その照会書を再度、家庭裁判所へ送ります。

その照会書に問題がなければ、「相続放棄申述受理通知書」が裁判所から届いて、無事、相続放棄は完了となります。

相続放棄したいと言うと実印と印鑑証明書が必要って言われたんですが・・

前述の通り、相続放棄には、実印による押印と印鑑証明書が必要なことはありません。

本人が家庭裁判所で手続きを行えば、完了します。(実際には、事前に相続人同士で話し合いがあると思いますし、その了解をもらってから、相続放棄することがほとんどだと思います)

しかし、他の相続人から遺産相続を放棄するなら、実印による押印と印鑑証明書が必要と言われた場合はどうなるのでしょうか?

おそらく、その場合は、「遺産分割協議書」の作成を行っているものと考えられます。

遺産分割協議書は、字の通りですが、相続人同士で遺産を相続することを協議して取り決めを行うための書面になります。

例えば、亡くなられた方が銀行などに預金がある場合でも、銀行はこの遺産分割協議書に各相続人の印鑑証明書と実印による押印などの必要書類がないと、そのお金を動かすことを許可してくれません。

以下は、遺産分割協議書を作成するときのイメージです。

遺産分割協議書を作成するときのイメージ

もし、相続放棄をしようと思っていて、他の相続人から実印と印鑑証明書が必要と言われたときは、一度、その理由と目的を確認することをオススメします。

まとめ

「遺産相続放棄の手続きをする方法と印鑑証明について」と題してお送りしてきましたが、いかがでしょうか。

相続放棄は、考え方としては相続人で亡くなられた方の遺産を相続するときに、いないものとみなすと措置とされています。

負の遺産を相続したくないというときは、きっちりと家庭裁判所にて所定の手続きを踏みましょう。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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【筆者プロフィール】

浅井美津子

保有資格である宅地建物取引士(免許番号:941700070)・簿記1級・販売士1級を活かし、長年にわたり、不動産、自動車などの売買契約業務から会計業務まで幅広く従事。社会問題から生活に関わる話題などについて、独自の視点で執筆活動も行っています。